263号　27年10月1日発行

とんび組の保護者母です。さくらんぼ保育園には、はと組から入園しました。
彼には現在、医師の判断がつかない程度ですが発達の遅れ（自閉的傾向）があります。
入園当初は集団に入れなかったり、落ち着きなく動き回ったり、リズム遊びに混ざる事も、泥に触る事も、お友達と手を繋ぐ事も、お昼寝もできず、給食の時間も席を立つだけでなく、外に出てしまう事もしばしばでした。自閉的傾向の特徴でもある息子なりのこだわりや、水が流れる様子や回るものを見続ける事、言葉の遅れもあります。
そんな状態だったので約１か月間の母子通園の後、加配制度を利用させて頂き、息子に対して１人の保育士さんがついてマンツーマンの保育で園生活が始まりました。
数か月後から、園生活に慣れてきたことや担当保育士さんとの信頼関係が芽生えてきた事で少しずつですが改善していきました。
園からはもちろんですが、市の子育てサポートセンターや当時通院していた東京の専門病院からいただくアドバイスや、林万リ先生はじめ様々な講演会や本などで得た情報を生活に取り入れたりもしました。
そこでわかった事は保育園での生活を家庭でも実践すれば彼の状態は改善される事、生活環境と子供の発達は密接に関係していて、それを整えると子どもの発達も促されるという事でした。
生活環境を整える事は、家族はもちろん周囲の協力なしでは難しい事ですが、それが有効であることを実感できる場面が多々あるので、私たちをやる気にさせてくれましたし、なにより生活を共にする夫の協力も得やすかったです。
息子自身の成長もありますが、家庭での生活を意識した結果、完ぺきではありませんが、現在ではとんび組の皆とほぼ同様に園生活が送れるようになりました。入園児、みかんの絵しか描かなかった彼の今の絵には、顔に身体も手足も出て、友達もたくさん出てきています。
以前行った講演会で特に印象に残っている言葉があります。
「発達障害を持つ子にいい（環境や生活）と言われることは障害がない子にももちろんいいことです」
当たり前のことかもしれませんが、息子は普通の子どもたちと区別されているわけではなく、その延長上にいる同じ人間なのだと思えたからです。
今後も彼のため、やれる事をやれる範囲で、私たち親子にかかわる方たちに助けられながら努力していきたいと思います。
そして、最後になりますが息子の様子を気にかけて下さる園の方々や、保護者の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。

（とんび組　保護者・母）